飯田重祐釣行記 ’15/シベリア・コッピ川(3 )[渓流と湖の釣り/IN THE FIELD vol.20]

飯田重祐、正影雅樹、撮影は佐藤偉知郎

飯田重祐釣行記 ’15/シベリア・コッピ川 (3)

 

コッピ川:

シベリア・ヤコビニヤニ山 南東に源を発し、タイガを抜け、極東、間宮(タタール)海峡へと注ぐ。
太古の自然を残し、冬季には長く氷に閉ざされる、全長約220kmのロシア中規模河川。
数を減らしたとはいえ、沿海州にはティグル(シベリアトラ)が棲む。

大型シーマ(サクラマス)の宝庫としては、あまりにも有名。
シーマ遡上のピークは5月末から6月といわれ、後半戦からは、大型タイメン(イトウ)も狙うことができる。
他にもピンクサーモン、チャムサーモン、ドリーバーデン、グレイリング等々、数多くの魚種を育み、トラウトアングラー憧れの地となっている。

 

コッピ川畔、二度目の夜に

毎日、釣りしか考えない時間が過ぎてゆく。
頭の中を魚が泳いでいる。
食べて飲んで寝て釣りをする。その繰り返し。

単純な毎日だ。
でも単調ではないし退屈ではない。

夜のテレビ番組を気にする必要はないし、スマホの画面にかじり付いていることもない。
仕事のことも考えなくなった。

考えるのは明日の天気と釣りのこと。
ビールを片手に星や月を見上げながらぼんやりして過ごす。

 

コッピ川のロッジ
▲ 日没後のロッジは美しいブルーに包まれていく

イチロー君たちのコッピ川今昔話も実に面白い。
大きな魚の話もここでは夢ではないので両腕を縛っておく必要はない。

 

三日目のコッピ川にて

昼食は川の中州でワイルドなアウトドアクッキング。これも最高。
今回は天候にも恵まれたので毎日ピクニック気分だ。
ビールがあれば完璧だったけど、飲み過ぎ必至なので釣りにならないかもね。

コッピ川畔のクッキング

コッピ川シーマの包み焼き▲ 豚の塩漬け(左)はランチの定番。  シーマの包み焼き(右)を作る。とても美味だった。

 

コッピ川も三日目ともなると、ガイドや魚との距離感も掴めてきて何となく余裕もでてくるものだ。
こんな釣りもやってみようとか、このルアーも試してみようとか、良くも悪くも欲が出てくる。
フックのタイプや向きを変えてみるとか、普段では試すこともないようなチャレンジもできるのが魅力だ。

他のメンバーの個性も見えてきて面白い。
釣りへの考え方や魚への執着も様々だなぁと思ったりもするね。

飯田重祐、正影雅樹、撮影は佐藤偉知郎▲ ちょっと記念撮影。左から、澤田君、川口さん、僕(飯田)、堀井君、正影君。 撮影:イチロー君

 

川と魚。時間と空気。

全体的に流れが強いのだが流芯から緩流帯まで魚は色々入っていて、微妙にレンジを変えることによって反応も違ってくるのが楽しく、勉強になる。

緩流帯には必ず小型のタイメンが入っていて真っ先に喰ってくるし、淀みにはシーマの稚魚が泳いでいて豊かな川を実感できる。

 

コッピ川のタイメン(イトウ)コッピ川シーマの子供▲ 小型のタイメン(上)とシーマの子供(下) とても豊かな川だ。

 

アングラーが多いとはいえフィッシングプレッシャーは低いので魚本来の動きを感じることができるのが何より嬉しい。
こんな時間にいつまでも浸って、空気の中を漂っていたいけど終わりはいつもやってくるんだね。 

 

[ロケーション] ロシア 6月下旬

アングラーズリパブリック、飯田重祐プロフィール

PHOTO & TEXT

[IN THE FIELD] The Special Angler
飯田 重祐

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