経験を積むごとに、僕はナマズゲームを冒険するようになってきている。
ナマズ釣りの醍醐味は、ナイトゲームでトップ。そう信じ込んでいた頃から早10年。
今は、メーターナマズへの挑戦、様々なフィールド別攻略方法の開拓、そしてデイゲームへの挑戦の日々である。
◆ナマズのデイゲーム序章
ナマズのデイゲーム。実は、これまであまり関心を持てなかった。基本的にナマズは多くが夜行性であり、日中は物陰に身を潜めて休んでいる。そういうアクティブでない個体を狙うことに違和感を持っていた。寝てる子を起こしてまで釣るのか? また、ナイトゲームほどには、展開の早さがでないこともあり避けてきた。
しかし、全ての個体が夜行性ではなく、昼夜逆転型の個体や、夕刻を待たずして昼過ぎから動き出す個体もいる。このような個体はトップへの反応はなくはないが、アンダーで攻めると確実なバイトを得られることが多い。
正直、デイゲームはナイトゲームより難しく感じる。ただ、デイにアクティブな個体がいるのも事実である。そうであれば、デイゲームでやる気のある奴らを狙うことも面白いではないか。今はそういう考えに至っている。
難しく、釣れないほどに惹き込まれる、それが釣りの醍醐味の一つだ。
◆9月のとある週末。多摩川にて。
9月初旬、週末の多摩川。僕は地元の超メジャーポイントにいた。家族連れで水辺を楽しむ人達、スモール狙いの釣り人、コイ師、それはナイトゲームではまず見ない光景だ。迷惑にならないようデイゲームを練習気味にやってみた。
瀬の落ちる反転流や変化に富む川底、テトラが沈むスーパーディープ、それらを手を変え品を変え様々に攻めるが、反応はない。
「わからない…。」「なぜ?」
そんな事ばかりを呟いてしまう。
ナイトゲームでは答えがすぐに出るポイントだけに、頭が混乱していく。
気づけば、水辺を賑わせていた人達はおらず、僕は川の真ん中で立ちすくんでいた。
コウモリがチラホラ飛び始め、ナイトゲームの時間へ移行していく。
「あ、明日もやりたい!」
僕の釣りに対する探究心は衰えを知らない。