スプーン。それはルアーの原型にして究極。表層から底まで狙える万能ルアーで、ルアー対象魚は何でも釣れるとされているが、実際あまり出番は無い気がする。
だいたい、底を釣ろうとすると根掛かりが多いし、バスやシーバスでもあまりぱっとした話は聞かない。
そう、ブッチャケ、 微妙 なのである。なんでそんな微妙なルアーの話題を唐突に始めるかというと、これが自作できるらしいと知ったからである。
一番簡単なもので、楕円に切った真鍮板を一か所曲げて、くの字にしただけのもの、これでも結構渓流魚は釣れるらしい。さらに本格的にやろうと思えば、根気よく鉄板を金槌で叩いて、市販品と遜色ないものも作れるらしい。
でも、私が作ったのは、厚い金属板を曲げたりしたものでなく、錫合金で鋳造したジグスプーンみたいなもの。
メタルジグを試作しようとしてアレコレやるうちに、ちょっとスプーンみたいにカーブを付けたものに黒鯛がヒットし、こりゃいけるんじゃないかと更に試作を進めてみると、岸からシイラが何匹も釣れたり、マグレかもしれないけどシーバスが釣れたりしたので、いよいよ本腰を入れて作ってみる事に。
作り方は木で作った原型を耐熱シリコン(一瓶約6千円)で型取りし、熱で溶かした錫合金を鋳造するという、手作りジグと同じ作り方。メインターゲットは、近場で釣れるシーバスとしました。
これを近所の白川で試してみると、確かにヒットすることはします。しかし、ヒット数は少なく、その時点での評価は、やはり、微妙。ミノーの3倍近く飛ぶんだけど、アタリの数はミノーの六分の一ぐらい。三分の一程度当たってくれればミノーと同程度の釣果が得られるんですが、その程度だったら潮が満ちてくるのを待ってミノー投げた方がかなりマシという評価に。
アタリが出る条件も
・ダウンクロスキャストで狙える
・魚が大きな群れでいる
・その魚が水面を見ている
・表層を引き波立てるぐらいの早引き
という条件が揃わないとヒットしない印象。
「試作ジグスプーンが重すぎるのがいけないんじゃないか?」とも思えるし、「そもそも河シーバスには効かないのかも知れない」とも思えたので、今度は、ちょっと軽い試作品を、ボートシーバスで試すことに。前の試作で28gぐらい、今度のは20gぐらいです。
と、いう訳で11月も半ば頃、三角東港から出るシーバスボートに乗って、試作品をテスト。この時期、ハイシーズンを迎える八代海のシーバスを狙ったわけなんですが、開始早々に私にカサゴちゃんがヒットしてきて以来、本命のヒットは無し。同船したお客さんはバイブレーションで良い型を何本もヒットさせるんですが、私はセイゴちゃんをバラすのみ。
なんか、ここでも微妙…というよりは、むしろかなりダメな感じでした。
試しに自作ミノーを出してみると、二時間鳴かず飛ばずだったのが、20分かそこいらですぐにヒット。やっぱり、どうにも、このルアーの使いどころが見いだせない。
どうにか本命を試作スプーンで一本ヒットさせるも、掛かった場所が背中で、やはり、微妙。
でも、最後に良い型のキビレがしっかり口に掛かって釣れたので、完全に「これは無し!」と言えるほどすっきり諦めきれないモヤモヤした微妙な結果に。
考えてみればこの試作錫合金スプーン。シーバス以外のものはシイラ、キジハタ、カサゴ、キビレ、クロダイ、サバ、エソ、ブラックバスと、外道街道まっしぐらな感じでよく釣れております。
もしかしたら、北海道とかで使ったらもっと多彩な魚種が掛かってきて丁度いいのかもしれません。
でもなー…自分、住んでるのが熊本なんだけどなー…
もうちょっと、シーバスをメインターゲットにして試作を頑張ってみます。
結果、外道マスターになっても、それはそれで良い気もします。
3月になって山女魚が解禁になったら、ダムでも試してみようと思います。
バスばかり釣れる気もしますが…そうなったら、バスルアーという事に(笑)