15時。梅雨明け目前の牛久沼。そのインレットの一つ、西谷田川に浮いている。
本当に久しぶりだ。
前回は、たぶん、25年くらい前の冬だった。
その時も、細見広場の少し上の今日と同じ場所から、今日と同じこのカナディアンカヌーでエントリーをして、今日と同じ、「トップ縛り」の釣りをした。
でも、あの時と違うことも、色々とあって、それは単に、冬とか夏とかという「季節」だけの話しでもない。
以前は、真冬でもハスの葉の枯れ残りがいたるところにあって、その夏場の旺盛な成育ぶりを容易に伺い知ることができたけれど、今、僕の目の前にあるのは、広大なヨシとガマの群生だけで、いつの間にか、 “リリーパッド”などというような言葉には縁のない、そんなフィールドになっていたようだ。
それから、もっと大きな違いもある。
それは、今日が、「釣れない」ということ。
すでに「昔」と表現したほうが良いのかもしれないけれど、前回の冬には、 “ザウルス”と“道楽”のトップウオータープラグでそれぞれ一尾ずつ釣って、気を良くして帰路についた。
天気予報では、今日は終日「曇り」で、「小雨交じりの曇天の釣り」を期待していたのだけれど、あろうことか普通に晴れて、あっと言う間に真っ赤に日焼けした。
暑い。
日焼けといえば、僕の愛艇、自慢のウッド・カヌーも、最初はもっと「色白さん」だった。
けれど、こちらはすでに35年近い歳月が経過していて、日焼けと経年変化で、味のある色合いと、独特な風格が備わった。
僕のほうも、さすがに白髪が増えるはずだ。
あまり無理をしないで、今日の釣りは、これくらいで勘弁してやるとしようか。
トップの釣りでは、バッチリとフィールド・コンディションが合わないと、釣れないことだって結構ある。
だったら、コンディションに合わせた釣りかたにシフトすれば良いのだけれど、それをやらないのが、「トップ縛り」だ。
トップで釣る秘訣は、トップを投げることにつきる。
今日は4本のロッドを持ち込んでいて、それぞれのロッドに一度結んだルアー達は、もう一切、チェンジすらしないと決めていた。
どうしてかというと、そのルアーでバスが釣りたかったから。
残念ながら、今日は、ノー・ストライク。
でも、今日の釣りは今日だけで完結するわけではない。
初めてトップで釣ったあの日から、今現在に至るまで、トップの釣りは、常にその一連の「時の流れ」の中にあって、今日という日も、その一コマに過ぎない。
一日ごとに一喜一憂する釣りではないのだと思っている。
もちろん、いつだって、釣れないより釣れたほうがいいのは当たり前だし、チビよりデカイいほうが、いいに決まってる。
けれど、この釣りは、「一日」という単位で語る釣りと言うよりは、「人生」という単位で語る釣りのように思えてしまうのだ。
ちょっと、仰々しい言葉になってしまったけれど。
だから、「またいつか釣れれば、まぁ、それで良し」と、なる。
一つひとつのプラグに、とても大切な思い出が蓄積されている。
初めてトップで釣ったあの日のプラグも、もちろん、このボックスの中にある。
今日も、トップウォーターフィッシングという名前の旅の途中。
だから、タックルボックスと共に、思い出も一緒に持ち歩く。
いつだって、タックルボックスは全開だ。
(ア)
おまけ:
それにしても、関東のメジャーフィールドって、さすがにタフですね。
「昔はよく釣れたのに。。」は、いつの時代においても、常に聞く言葉ではあります。
要するに、いつの時代も、「そうそう甘くはない」ということなのかもしれませんね。
さて、ここで、関連記事のご紹介です。
僕(編集部)の全開タックルボックスの中にあるトップウォータープラグ達は、ほぼ全て、「ブラックバスルアー図鑑(トップ以外のルアーも含みます)」の中で、一つひとつ、記事にして紹介しています。
お時間のあるかたは是非!
「前回の冬には、 “ザウルス”と“道楽”のトップウオータープラグでそれぞれ一尾ずつ釣って」の、プラグはコチラ↓↓
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