- 本物のギアと出会うproject、始動
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フィッシング業界では前々から密かに話題になっていた、本物のギアを扱うネットショップ『冒険と旅の用品店 JetSlow4wear』が、遂にヴェールを脱いだ。
このショップは、釣り雑誌のカリスマ編集長として名を馳せた水口謙二氏の手によるもので、ホンモノの逸品のみを取り扱うという。水口氏に、ネットショップを開設することになった経緯を語ってもらった。
フィッシング業界では前々から密かに話題になっていた、本物のギアを扱うネットショップ『冒険と旅の用品店 JetSlow4wear』が、遂にヴェールを脱いだ。
このショップは、釣り雑誌のカリスマ編集長として名を馳せた水口謙二氏の手によるもので、ホンモノの逸品のみを取り扱うという。
水口氏に、ネットショップを開設することになった経緯を語ってもらった。
夢のひとつだったお店の経営。
それを叶えてみようと、最初はシンプルな願望からスタートしました。
僕はアウトドアメーカー「パタゴニア」や、釣り具メーカー数社のフィッシングアドバイザーとしての仕事、プロモーション関係の仕事をさせていただき、早や3年。
これらお仕事をさせてもらって、強く感じていたのが、本物のギアの多くが、人にまだ知られていない、ということ。
プロモーションでモノは売れるのですが、プロモーションが先行して、モノの本質が伝わりづらい世の中でもあります。
なんてことを経験してきた。
それは20年もの間、釣り雑誌を作り続けて植え付けられた職業病のようなものかもしれません。
本物、「リアル」を追究して、追求する。
幸運にも、僕は世界中を飛び回っている。世界で見つけた「リアル」を紹介して、冒険家や旅人、釣り人たちに“お裾分け”しよう。 そして、もしまだ、世界にないギアがあれば、クリエイト(創造)しようと思い立ちました。
そのコンセプトを元に動き、造られたのが“アルタミラ”でした。
このアルタミラは、僕がオーストラリア・グレートバリアリーフ洋上で2週間のフィッシング、 さらにブラジル・アマゾンでの奇跡的な冒険、アジア・ラオス~カンボジアでの灼熱のナマズ釣行で必要と感じた機能を盛り込んだウェアです。
このアルタミラは、アマゾンを中心に活躍中のボンバダ・テル氏の経験とアイデアも入れ込んだ魂のギアです。
たとえ、旅の途中で身ぐるみはがれて、着衣しかなくなったとしても、何日も過ごせるように。
ちょっとそれは大げさだけど、2~3日着たままでも快適に過ごせる機能が、薄いこの生地に備わっています。
現在、このアルタミラを扱うストアでは、スペシャルアイテムがすでに数件控えています。 「リアル」しか取り扱わないから儲からないかもしれないね(笑)。でも、それでいい。
商品のライフサイクルが、どんどん短くなる流れに抗うのはやさしくありません。 だからといって、ユーザーを置いてきぼりにした、創り手の勝手なコダワリに陥っても、意味がありません。
「売れればOK」主義が蔓延する中で、きちんとユーザーに向き合い、「リアル」を提供せんとするjetslow4wearの挑戦に注目していきたいと思います。
さて、事編集部スタッフも「アルタミラ(長袖)」を早速購入。真夏の霞ヶ浦に出かけてみました。
アルタミラかなり、いいです。フードが大活躍です。
アジアでのラオスからカンボジアに渡る、ナマズ釣行は実はナマズがすでに現地の人に獲り尽くされて全く釣れませんでした。
釣行チームは3人。ラオスでは岩場で寝たり、ニワトリ小屋を宿にしたり。 また、一杯の水が貴重で、水が切れると何キロも歩いて入手しないといけない場所で釣りをしていました。
どうやら、ナマズが全くいないことをパーフェクトに認めた僕らは、ラオスのその川からカンボジアに移動することにしました。
その時点で数日風呂に入れず、服は何日も着替えていません。
その不快さと言ったら、例えるなら匂いと質感がヘドロの服を着ているような感じです。
なにせ、気温は35度以上、湿度は80パーセント!
常に汗だく。異臭を放つ男達。
今では笑い話ですが、その時は地獄のような日々です。
カンボジアへ移動。
バスで22時間?22時間あれば、日本から航空機で反対側のブラジルへ行けます。
しかも僕らの席は不幸なことに…通路。
席に座る人たちと同じ料金を払っているのに通路。
旅にはつきものの、現地不手際、トラブル、アンラッキー。
バスは硬い床に座る僕らに一切構う事なく、ガタゴトガタゴト、ドスン!ドスン!とでこぼこの舗装路と時折現れる穴にサスペンションをきしませながら走る。
いつしか外は雨。
雨といっても熱帯雨林気候の雨は豪雨です。バスは湿度を100%にアップさせて、どこかに雨漏れがあるのか、床に水がたまり始めました。
バスがブレーキをかけたり、加速するたびに、その水たまりが、まるで地を這う生き物のように移動する。
その床に座る僕らの足と尻を洗う。
「ザーーー… ザーー…」
もう最悪です。最悪すぎて、これはもう最悪じゃないな、と変な考えになってきた僕らは、ヘラヘラと笑い出した。
ヘドロの服を着て、異臭を放ち、重い荷物が崩れないように支えながら、尻を雨水で翻弄されながら、笑う男達。
カンボジア・シェムリアップに到着。一睡もしていない。
豪雨のため、23時間に延長されての旅だった。
ザックをかつぎ、トゥクトゥク(3輪バイクのタクシー)でホテルまで移動しようとバスを出たところで、あがっていた雨がまた降り出した。
凄まじい雨量。体も荷物もびっしょりと濡れて、トゥクトゥクに乗った。
もうね、笑うしかない。僕らは大笑いした。最悪だよ!
トゥクトゥクは僕らが泊まるホテルに。ホテルは豪雨で停電している。もう何も驚かない。
僕らはそれぞれが持って来ている小型ライトを取り出し、いつしか、まるで修学旅行のように、昔の話や将来の話をした。
釣りは?
釣りはそのあともサッパリ。でもいい旅だった。記憶になる旅。
辛いことがあると、高確率でそのときのことを思い出す。
そして、クスッと笑う。
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