ノーシンカーリグ [大場未知のリグ講座 vol.4 ]

ノーシンカーのワーム釣り

ノーシンカーリグ

 

シンプルでも応用範囲が広いノーシンカーリグ

ワームリグの中では最もシンプルなのがノーシンカーリグだ。
その名のとおりシンカーを使わない仕掛けではあるが、意外にも応用の幅は広い。
ノーシンカーを大きくツータイプに分けるとフォールの釣りと横の釣り、つまりスイミングの2つになる。
使用するワームも極論を言えば自由でいいのだ。

 

フォールのためのノーシンカーリグ

まずはフォールの釣りにおけるノーシンカーリグについて。

ブラックバスというのは何かの障害物にそってサスペンドする習性がある。
例えばリザーバーなら立ち木や岩盤、リバーフィールドや野池なら杭や護岸、取水塔が代表的だ。
これらはバス用語でタテスト(縦ストラクチャーの略)と呼ばれる。

タテストの釣りにはトップウォーターやクランクベイトやスピナーベイトなど、その釣り方はさまざまだが、ワームの落とし込みで有効なのがノーシンカーなのだ。

シンカーがないためスローに落とせるのは言うまでもないが、フックを装着する位置で動きを変えられるのがフォールの釣りの面白さでもある。

代表的なフックセッティングは3タイプ。
まずノーマルのオフセットフック、次にワームの真ん中にマスバリタイプをちょん掛けするワッキーセッティング、そしてワームの後方にオフセット、もしくはストレートフックを装着するバックスライドセッティングだ。

ノーマルセッティング

ワームフックのセッティング

▲ オフセットフックのノーマルセッティグではスティックベイトといわれるタイプのワームと相性がいい。
メジャーどころでは、フックの重さだけでも自発的にウネウネとボディを振るわせるヤマセンコー/ゲーリーヤマモト(写真上)やデスアダースティック/デプス(写真下)がそれだ。
タテストにダイレクトにフォールさせてトゥイッチで食わせるといった合わせ技も効果的だぞ。

ワッキーセッティング

マスバリタイプのワッキーセッティング

▲ マスバリタイプのワッキーセッティングも、やはり自発的アクションを発生させるものが好ましい。マスバリ自体、軽いものが多いので必然的にスピニングタックルで扱うことになる。ノーシンカーリグのフォールは、高比重ワームが前提となるわけだが、スピニングならドライブクローラー/O.S.P(写真上)やフリックシェイク/ジャッカル(写真下)が間違いないだろう。

バックスライドセッティング

ワームのバックスライドセッティング

▲ こちらはお尻から目標物にバックスライドする設定。オフセットフックでアシの隙間や桟橋の下に滑り込ませるのに最適なノーシンカーリグ。アバランチ/スパイキー(写真上)は高比重でスライド幅も大きいタイプ。クラーケンファミリーの最大サイズ、モンスタークラーケン/クオン(写真下)はスライド幅が大きくカバーよりは桟橋やオーバーハング下に浮く、ビッグフィッシュキラーとして知られる。

 

スイムのためのノーシンカーリグ

巻きのスイミングワーム

ノーシンカーリグの特徴を活かしたもうひとつの方法は、横方向のスイミングの釣り。
イメージ的にはスピナーベイトやバイブレーションといったサーチベイト的な役割で、それよりもウィードレス効果が高いのが特徴だ。

とはいっても、いつでもノシンカーのスイミングがいいというわけではない。
バイブレーションやスピナーベイトに比べればアピール力も劣るし、フッキング率を考えてもトレブルフックには到底かなわない。

初心者にも扱いやすい横方向のノーシンカーは、やはりオフセットフックを装着したシャッドテールワームやグラブの部類。
水面直下まで延びるウィードの上やオーバーハングの下に浮くバス、あるいはボイルが多発する水域でロッドを立ててバジングさせる方法もある。

この釣りでもっとも大事なのがフックのセット。
ワームに対し左右対称にセットしないとバランスを崩して真っ直ぐ泳がないだけでなく、ワームがクルクル回転してラインがよれてしまうのだ。
ノーシンカーのフック装着は他のどんなリグよりも慎重に行うように心がけよう。

また、ワームによってはパッケージ内でクセ(曲がっている)がついているものもあるので、なるべく真っ直ぐの個体を選んでやるのも大事なこと。
ちなみに、クセのついたワームは熱湯で軽く茹でて真っ直ぐになるように保管すると元通りになるぞ。

さて、シャッドテールはスピナーベイトやバイブレーションみたいに、ただ巻きで使うことを基本とするわけだが、ミノーやシャッドのようにトゥイッチしてなんぼ!なノーシンカーワームも存在する。

日本ではジャンル名が確立されていないが、アメリカではフルークタイプといわれる。
ついでながら書いておくとフルークというのはズーム社のワームシリーズ名で、スーパーフルークタイプのワームの総称として知れ渡っている。

フルークタイプの特徴としては塩の含有量の少ない低比重タイプの素材を使い、左右上下にトリッキーにダートするように設計されていること。
とくにベイトフィッシュが群れで水面付近を回遊しているときに有効なメソッドなのだ。

大場未知

PHOTO & TEXT

Michi Ooba
大場未知

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トッパー君の独り言

ワーム以外はフックだけ結べば、ハイ、オシマイの簡単リグ、ノーシンカーリグ。
リグと表現していいのカナってくらいの潔さ。

でも、簡単な仕掛けとは裏腹に、フィッシングテクニックにはかなり奥の深いものがあるのもノーシンカーかもしれませんね。

ところで、落とし込みの釣りで、フォール中のアタリのとりかたに悩むことはありませんか?
リールから水面までの空中にあるラインを見ていて、違和感(ラインの動きの変化)を見逃さない。が、マルみたい。
特に色分けのマーカー付きラインは、かなり見やすいようです。

手元にアタリを感じることもあるけれど、いずれにしても早アワセは禁物とのこと。
一呼吸おいて、アワセる。

それから、キチンとアタリがとれていても、この釣りでは呑まれてしまうことがあるので、”オエオエ棒” などの針外し棒を用意する。

他に、PEラインやナイロンラインなど、浮力のあるラインは、フォールの妨げになるので、お勧めできないとのことでした。

次にスイミング。

こちらでは、バジングという言葉が出てきました。
スピナーベイトとかで、水面を派手な引き波立てて引いてくるアレですね。
ワームの場合でも、グラブの様なタイプで水面をビロビロ引いてやるのが有名です。

スーパーフルークタイプのワームについては、写真では、一番下の白いワームがこのタイプ。
こちらはノーシンカー専用ということでもないと思いますが、デプスのサカマタシャッドです。

自分の場合、ジャークベイトやミノーなどのフックがボディーに当たる音がダメなの?などと気になる場合、このテのワームに時々、手が伸びます。
ホントに時々で、昔入手したスラッゴーのストックが、なかなか減りません。

で、ベイトリールだと飛ばないので、ネイルシンカーを打って使用しますが、この釣りでのネイルシンカーの使用は、水平フォールさせたい時の調整用以外の用途ではバランスを崩すので、あまりお勧めできません。と、大場さん。

今のリールは結構飛びますヨ!だって。

。。(汗)

text by トッパー

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