ネコリグ [大場未知のリグ講座 vol.5 ]

大場未知のリグ講座 ネコリグ

ネコリグ

 

「ネコ」 に込められた意味とは?

こちらもすっかり定着した釣れないときのお助けリグ、というか、もはや超一軍リグといえますね。
ネコをじらすように誘うからネコリグと思っている方が多いと思いますが、じつはキャットのほうではなく、『根こそぎ』のネコなんです。
このリグの発案者も、前回紹介したダウンショット(ツネキチ)リグと同じく、村上晴彦さん。
村上さんの才能は日本バス釣り業界の宝であり、僕も心から尊敬するアングラーのひとりであります。

 

村上晴彦氏が語るネコリグの魔力

さて、ねこそぎ釣れるネコリグとはいったいどんなリグなのだろう。
使用するワームはストレートタイプ、それも細身のものが一般的ではあるが以前にも書いたようにワームリグに決まりはないので、ホッグ系やクローワームをネコリグで使ってももちろんオーケー。

ネコリグは頭にネイルシンカーを装着してワームのボディにマスバリをちょん掛けする。
そのため、頭からスーっと落ちて、ラインを張ることでワームがボトムで直立するのだ。

ロッドをこちょこちょ動かすとワームの先端はボトムに着いた状態で、ボディだけがクネクネ動く。
水中で見るとそれはまるで生き物のようなのだ。

せっかくなのでネコリグ考案者である村上さんにその魔力を聞いてみた。
「ネコリグはストレートワームを使った場合、面で水を受けて曲がるときの波動と戻るときの波動がダブルで発生する。つまり、僕がロッドで1、2、3、4回アクションさせるとすると、ワームは8回アクションしてるんですよ。」
なるほど、ワームが屈折するときと、その反発で戻るときに水中で波動を生んでバスを誘っているわけだ。

ネコリグが定番化してからはアングラーによって進化を遂げ、さまざまな使い方が編み出された。
ネコ使いのエイキスパートは中層のスイミングという技も使ったりもするが、やはりこのリグのシステムから考えるとボトムでの使用が基本となるようだね。

 

ネコリグのフック選びと、装着(刺し方、位置など)

ネコリグで重要なことがフック選びだ。
前述したように一般的なのはマスバリタイプだが、最近はフックポイントをワームの中に埋め込むワイドギャップの専用フックやネコリグに特化したオフセットタイプも市販されていて、ベイトフィネスタックルの進化に比例するように、こちらも定着しつつある。

では、これらのフックを使うとなにがいいのか。
ずばり、カバーの中で誘うことができるのである。
カバーの釣りといえばテキサスリグが常識だが、それはもはや過去の話しになりつつある。

ネコリグのフック選び▲ 左:N・S・Sフック/フィナ
▲ 右:フッキングマスター・ネコリグオフセットと、ブラシガード(付属ペグ)/ノガレス

ネコリグのフックの付け方▲ 上:フッキングマスター・ネコリグオフセット(ノガレス)の装着
▲ 下:N・S・Sフック(フィナ)の装着

上写真左はN・S・Sフック(フィナ)、右はフッキングマスター・ネコリグオフセット(ノガレス)。

N・S・Sは岸釣りマスターの川村光大郎さんが考案した、カバー用ネコリグフックでフックポイントをワームに埋め込んで使うタイプ。
シャンクに設けられたキーパーがフッキング時にワームのズレを防止しフックポイントだけが飛び出る仕組みだ。
サイズと構造的にフッキングしにくそうではあるが、その見た目とは裏腹に非常に掛かりがいい。

上写真右はフラッシュユニオンを立ち上げて間もないJBトップ50の藤木淳プロが考案した、やはりカバーに特化させたネコリグ用フック。
こちらはラインアイを完全にワーム内に埋め込むタイプでブラシガードをワームに通してズレを防止する。
ネコリグの弱点である糸ヨレが極端に少ないのも特徴だ。

 

熱収縮チューブでネコリグのフック装着
▲ 熱収縮チューブを使用しても、しっかりとフックを装着することができる。

一般的なネコリグはワームにマスバリをちょん掛けするため、しばしばキャスト時にワームがちぎれて飛んでいってしまうことがある。

この悩みを解消するのが熱収縮チューブだ。
フックを装着する位置に通してライターで軽くあぶるとリングが縮む。
ここにワームをちょん掛けしてやればキャスト時の身切れを防ぐことができる。

釣具店で購入できるので好みのワームに合う太さを店員さんに相談してみよう。

フックを刺す位置はワームによって異なるが、相対的にいえるのはワームの重心よりも少しだけ頭のほうに縦にセットする。

 

ネコリグのネイルシンカー

ネコリグ用ネイルシンカー

シンカーの重さはシチュエーションや風の強弱、ラインの太さやレンジによって使い分ける。

ノーシンカー感覚でフィネスに誘う、あるいは流れの緩い水路や川でドリフト気味に使うなら1g以下のネイルシンカーがいいだろう。

ある程度太いラインでベイトフィネスタックルでカバーに入れるときや、フットボールジグのようにリアクション的にボトムを跳ねさせるときは最大で3gのネイルシンカーを使うこともある。

ここらへんは状況に合わせてその日、その場所にベストなセットを見つけ出そう。
まれにネイルシンカーだけが飛んでいってしまうこともあるが、これはネイルシンカー挿入前に瞬間接着剤を一滴垂らすことで解消できる。

また、ネイルシンカーの先端を1~2㎜ワームから出しておくと感度がアップし、ハードボトムでは音を出す効果があるという説もある。

 

ネコリグのワーム

ストレートワームばかりがネコリグではない。
ホッグ系やクロー系はもとより、シャッドテール系を使ってスイミングさせるなんてテクニックもあるので、フェイバリットワームで試してみよう。

大場未知

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Michi Ooba
大場未知

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トッパー君の独り言

生き物以上に生き物らしい?そんなワームアクションを実現したネコリグ。
フックやシンカーなどのバリェーションも豊富だから、自分にとってベストなセッティングとか、今の状況にベストであろうセッティングなどを求め、想像力をフル稼働させてみるのも楽しみのひとつでしょうか。

さて今回、スナッグレス・ネコ用、川村光大郎さんのフィナ、N・S・Sフックと、藤木淳プロのノガレス、フッキングマスター・ネコリグオフセットのお話しがありました。

で、後者、フッキングマスター・ネコリグオフセットの写真の右にあったのは、ネコのヒゲ?
正解は、ブラシガード素材の付属ペグ。

で、いったいどの様にして使用するか?ですが、フラッシュユニオンさんのHPで、わかりやすい動画を見つけました。
コチラのほうで、どーぞー! 。。(汗)

 

text by トッパー

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