- 2014-12-19
- ブラックバス注目記事
- SFGJ
四国赤松 暴れ鷹、赤松美陽 編
骨太バサーが魅せる冬の亀山タクティクス
6:45AM、いよいよ実釣開始。
赤松美陽、ナント、出艇と同時に魚探のスイッチをブチ切った。
作戦は、やはり、シャロー狙い。魚探は不要だという。
でも、魚探は魚を探す以外に、水深や水温を知る上でも有効なハズ。わざわざスイッチを切る必要もないだろう。
何故。。?
水深は周囲の地形から判断すれば、十分だと言うし、水温に至っては、ナント、『知りたくない。』と言う。。
赤松美陽にとって、魚探は邪魔な存在。
絶対に、スイッチを切る必要があった。
やはり、この勝負、本当は自分との戦いの様だ。
絶対に断ち切る必要があったのは、魚探のスイッチではなく、自分の迷い。
本当は、水深や水温を知ることによって、邪念の如く頭をもたげて来る、“迷いの心”を断ちたいのだ。
一切ブレることなく、シャローを撃ち切れば、勝てる。
これが、作戦。それが、確信。
だから、この作戦の為に、どうしても自分のマインドをコントロールする必要があった。
恐らく、ロッドを3本しか用意しなかったのも同じ理由だろう。
▲ フィッシングスタート。 近藤艇、赤松艇と続く。(写真は近藤艇)
シャローで、デカバス1本獲る!そして、勝つ!
だから、たかさん(お馴染みの名前で呼ぶことにしますネ。)の、シャーロー狙い。
決して、ブレないし、既にブレようもない。
恐らく、相手がディープで揃えて来られるのは3本。1200グラムと予測している。
それをひっくり返す1本がほしいのだ。
「天候も自分に見方をしてくれている。低気圧は魚を浮かすからね。」
なんて、さりげなく言うものの、本当は、一週間前から常に気象情報のチェックを怠っていない。
タックルは、いたってシンプルかつ、ストロング!
タックルデータは以下の通り。
一日を通しての使用頻度は、カワシマイキー7.5割、アイオビー2割、チャンクローのテキサスリグが0.5割、といったところ。他のルアーは使っていないし、カワシマイキー以外はカラーチェンジすらしていない。
- <ルアー>
- カワシマイキー、アイオビー、チャンクロー3.5インチ・テキサス(全てジャッカル)
- <ロッド>
- Nero NC-72H(カワシマイキー用、アイオビー用、計2本)、同NC-70MH(チャンクロー用1本)
- <リール>
- メタニウム(シマノ)
- <ライン>
- レッドスプール16lb(カワシマイキー用、チャンクロー用)
PE 60lb(アイオビー用)
▲赤松美陽のタックル。ルアーボックスも、小脇に抱えられるサイズただ一つだった。
猪ノ川を探る
この日、たかさんが一番重要視しているポイントの特徴は、崩落。
もともと水深があるところに崩落でシャローが形成され、そこに浮きゴミなどが絡むエリア。
具体的には、2本の川筋にチャンスがあると見ていた。
朝一番に入ったのは、その1本目、猪ノ川。
おりきさわボートのある小櫃川を下り、左から最初に合流する川筋だ。
どうやら、手ごたえは十分に感じ取れている様だったが、まだ時間が早い。という。
ウォーミングアップとして、一通りのポイントでのキャストフィールを確認したところで移動。タイミングを見て入り直す。と言う。
期待の押切沢へ
そして、もうひとつが押切沢。
本湖エリア南岸で合流するこのエリアは、やはり、大きな崩落とカバーが存在していることに加え、昨日の下見(釣り自体はしていない)で、カメやベイトフィッシュなど、唯一生命感が感じられたエリアだという。
それが期待の理由。
猪ノ川からは多少、距離があるから、少しずつ釣り進め、ベストなタイミングでアプローチする作戦の様だ。
途中、陽が差し込む時間帯などもあったのだが、9:30頃のこと、陽も陰り、気圧の低下を感じ取ると、「よし、行こう!」の声。
そして、10:00。押切沢の奥へと到着した時、チャンス到来の雨が。
ほとんど、ドンピシャなタイミングだったといっていいと思う。
自然を相手にする職を持つ者は、ここまで冴えているのかと、ただ驚くのみ。
残念だったのは、昨日のベイトっ気が全く消えていたこと。
カワシマイキーが、面白い様に枝の間をすり抜けて、ピンポイントへと吸い込まれてはいくものの、残念ながら、バスからの反応を得ることはできなかった。
▲ もうすぐ雨の降り出す押切沢と、赤松美陽
そして、猪ノ川で、爆発。
「バスを騙しやすい、濁りのきついエリアをやってみようカナ。」
結果の出なかった押切沢が、随分と水の透明度が高かったこともあってか、そんなコトを言いながら、今来た道を引き返えす。
そして、所々、キャスト。。
11:30
気が付けばそこは、猪ノ川との合流部。朝一番で様子を見ていた川筋の入り口だ。
そして、その時、突然の様に雨あしが強まった。
また、当たった。
偶然ではないと思う。
だって、タイミングを見て入り直すと言っていたのだから。。
「この雨、絶対にプラスだね!」
見ると、たかさんから、凄いオーラが出ている。
押切沢の時も感じた、同じオーラ。。
やはり、これから何かが起こる。
きっとそれは、もう間違いのないコト。
11:50
「今、コツン!と、来たヨ! さっきも何か、ソレっぽいのがあったんだよね。」
ナント、既に2バイト!??
「今日はフロッグでは無理カモしれない。バスが、キチンと口を開いくれないと思うから。カワシマイキーみたいにフックがタップリある様なルアーのほうが有利だね。」
朝、たかさんが言っていたそんな言葉を思い出す。
それにしても、カワシマイキーの障害物回避性能は凄い。
躱マイキーの名前はダテではないのだ。
12:05
デカかった。。
横っ腹がギラリと見えた。
もし、ラインが枝をまたいでいなかったら、獲れたのだろうか。。
第一級の崩落。
少し沖目の、密集した木の枝のその脇に、カワシマイキーを2度通し、その後、少し別の方向へ一度キャストを振った後、2度通したコースと同じ方向、ただし今度はもっと奥の、岸ギリギリのところへキャストしていた。。
痛恨のバラシ。ホントに痛い。。
▲ 逃げた魚は、やはりデカイ。。天を仰ぐ。
14:45
突然!「ヨッシャー!!」の声。
あの後、実はポイントを休める意味もあったのか、一度、小櫃川上流、おりきさわボートの更に上を攻めた後、もう一度、この猪ノ川に入り直していた。
猪ノ川出口、右岸での出来事。。
やはり、喰いが浅いのか。
それとも、先ほどのバラシが精神的に影響して、合わせに力みが入ったのか。。それは分からない。
とにかく、フックを逃れたバスは、水面でジャンプを4回も見せた後、静かに水中へ消えて行った。
15:00
15時30分のフィッシングストップが近づいて、たかさんのオーラが少しだけ弱くなった様に感じた僕。
でも、僕には分かっていた。本当のドラマはこの後、もう一度、ある。
「たかさん、お助けカード、使ってください!10分延長できますカラ!」と、僕。
「イヤ、必要ないヨ!」と、たかさん。
「なんか、スゴ~く、満足してしまったからね。もう、いいんだ。」
そう言って、たかさんが 笑った。
▲ 赤松美陽、何かスッキリした様子。
帰港
何だか凄く感動してしまった。
そこに、冬のストロングゲームを、確かに僕は見た。
(ア)
次回、いよいよ、帝王・近藤健太郎編です!
<暫しお待ちを。只今、額に汗して記事、書いてマス!>